後遺障害について
後遺障害の等級認定について
1 後遺障害
後遺障害で件数的に一番多いのは、むちうち症案件です。
むち打ち症とは、首や腰に痛みやシビレ等の神経症状がでていることをいいます。
その他にも、手足の関節の可動域が、もう一方の手足の関節の可動域と比べて、狭まってしまった場合には、可動域制限についての後遺障害が残ったと表現します。
ほかには、脳挫傷等により、脳にダメージをおい、認知機能や行動、性格等に変化がでてしまうような高次脳機能障害という後遺障害もあります。
また、顔などに傷が残ってしまう外貌醜状といった後遺障害もあります。
さらに、胸椎や腰椎の骨折で圧迫骨折という後遺障害もあります。
2 後遺症と後遺障害の違い
あくまでも、交通事故の賠償実務のなかでのイメージですが、「後遺症」は、事故前と比べて、何らかの症状が残ってしまった場合を意味し、「後遺障害」とは、後遺症のなかでも、自賠責の等級認定基準に該当するほどのレベルに達している後遺症を後遺障害と区別していることが多いのですが、厳密に使い分けられているわけでもありません。
3 後遺障害等級が認定されるまでには
⑴ 症状固定と診断される必要がある
交通事故により、治療を一定期間続けると、完治するか、それとも完治せずに、これ以上は治療しても症状はよくならないという状態の症状固定と診断される時期がきます。
症状固定とならなければ、後遺障害診断書は通常記入してもらえないため、後遺障害申請もできません。
⑵ 症状固定までの時期
症状固定までの時期については、大半の後遺障害については、最低でも事故から半年以上たってから症状固定と診断されなければ、初回の後遺障害等級認定は難しいといえます。
もし、半年未満で症状固定となった場合には、しばらく通院を続けて、再度診断書を記入してもらう必要があります。
4 後遺障害等級認定の賠償金
後遺障害の等級が認定されますと、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の賠償項目が追加されます。
後遺障害部分の賠償金は、最低でも数百万円以上となりますので、適切な賠償金を獲得するためには、妥当な後遺障害等級認定がなされることが必要なのはいうまでもありません。